DMV(デュアル・モード・ビークル)実用化に向けて2020年

2020年のDMV(デュアル・モード・ビークル)実用化について

DMVとは?

DMVとは、デュアル・モード・ビークルの略で、デュアル・モード・ビークルとは、列車が走るための軌道と、自動車が走るための道路の双方を走ることができる車両のことです。

日本各地には、鉄道が通ってないけど、人が住んでいて、少ないけど鉄道の需要があるような場所が、結構あるんです。

欧米では、2つの異なるエネルギー源を使い分けて走行する車両を指す場合もあります。例えば、架線からの電力と内燃機関のいずれかからエネルギーを得て、動力を切り替えて走行する車両です。ここでは、軌道と道路の双方を走ることのできる車両を指します。

どのような形をしているの?

マイクロバスをベースに、軌道走行に必要な改造を加えてあり、外見や基本的な構造は一般的なバスとほとんど同様ですが、動力源は種車のものを生かしたディーゼルエンジンで、ゴムタイヤと金属車輪の両方を備えており、道路走行時は金属車輪を持ち上げ、ゴムタイヤのみを用います。

また、道路走行モードと線路走行モードの切り替えは、10秒から15秒というスピードで切り替えることができます。とても早いですよね。

誰が研究開発しているの?

日本では、JR北海道が、かねてより、利用の少ない路線のコストを削減するため、DMVに目を向け、20世紀の時代から研究開発を行ってきました。21世紀になってからも、研究の速度は加速し、トヨタ、日産などが試作車を作り、実際に試験運行を行っていきます。

そして2015年には、営業運転を予定していました。しかし、2013年ごろからDMVとは無関係の事故が北海道内で多発し、DMVを推進していた、JR北海道の会長が辞職してしまいます。

すると、JR北海道は、安全対策と北海道新幹線に経営資源を集中させるため、DMVの開発を凍結してしまいます。しかし、開発過程で得たデータなどは、求めがあれば外部に提供するとしました。

どこで実用化するの?

一方、徳島県では、JR四国の路線が南まで伸びています。高知県との境の室戸岬周辺では、阿佐海岸鉄道という徳島県を筆頭株主とする第三セクターが営業を続けてきました。しかし、室戸岬の先までは、鉄道でカバーしきれていませんでした。

そこで徳島県では、2011年ごろからDMVの導入が検討され、駅構内にDMVを通すためのインターチェンジを設置したり、走行訓練を行ったりしてきました。

そして、2020年に晴れて、JR四国牟岐線阿波海南駅から、阿佐鉄道阿佐東線甲浦で線路を走り、甲浦駅より先は道路を走り室戸岬を結ぶべく、DMVが導入されることが決まったのです。

まとめ

全国初のDMV運用が2020年に徳島県で始まることが決まりました。もし運用が軌道に乗れば、全国各地でDMVが活躍するような時代も来るのかもしれません。
特に、鉄道マニアの皆さんには、DMVは一見の価値があるのではないでしょうか。また、徳島県は日本で唯一、電車が通っていない、ディーゼル車が鉄道として機能している県でもあります。その点でも、DMVを見に徳島県を観光するのも良いのかもしれませんね。

それでは、DMVに関する話題でした。最後までお読みいただきありがとうございました